手紙の基礎知識とマナー【縁起の悪い「忌み言葉」に注意】
- 封書とはがきの使い分け
- 手紙文の字配りと改行のポイント
- 縁起の悪い「忌み言葉」に注意
- 便箋の折り方
手紙文に不吉なイメージを感じさせるという理由からタブーとされている忌み言葉がいくつかあります。最近は気にしない人も多いとはいえ、知っていたらやはり使わないよう配慮するのがエチケットです。特に祝儀・不祝儀の手紙や年配の人への手紙には「忌み言葉」は避け、別の表現をしましょう。このちょっとした気配りが手紙を書く上での一番の思いやりなのです。
年賀状
年賀状は新しい年の始まりを祝い、1年の無事と幸福を祈るあいさつです。新年を迎え、誰もが改まった気持ちでいるときに暗い言葉は禁句です。例えば「去年」と書かずに「昨年」または「旧年」とするのも年賀状ならではのルールです。
忌み言葉:去る、失う、衰える、滅びる、暗い、病む、絶望的、悲観、困難、死ぬ
誕生日のお祝い
誕生日祝いは相手をたたえ、今後の活躍や幸福を祈りつつ楽しい文面にするのがポイントです。また、高齢の人に「ご高齢ゆえ〜」「もう若くないのだから無理もせず〜」などと、歳を強調し年寄り扱いするのも禁物です。
忌み言葉:悲しい、破れる、流れる、落ちる、倒れる、病気、死ぬ
結婚のお祝い
結婚は人生最大の慶事です。お祝いの挨拶にも形式的で格調高い言葉を使うのが一般的なので、忌み言葉には特に注意が必要です。「別れる」「切れる」などは離婚を連想させ、「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉は、再婚を連想させると言われています。
忌み言葉:去る、切る、割る、別れる、流れる、離れる、破れる、冷める、戻る、帰る、出る、飽きる、終わる、薄い、浅い、折り返し、思い切って、再び、重ね重ね、追々、たびたび、しばしば
出産のお祝い
出産祝いは新しい生命の誕生を祝うものです。死や流産を連想させる言葉に注意しましょう。
忌み言葉:死、四、流れる、破れる、滅びる、落ちる、消える、弱まる、枯れる
初節句・七五三のお祝い
初節句や七五三のお祝いは、子供の健やかな成長を喜び、それを喜ぶものです。節度をわきまえ、温かい文面を心がけましょう。
忌み言葉:止まる、倒れる、折れる、くじける
入学・就職のお祝い
入学祝いや就職祝いは本人の努力をたたえ、励まし、未来に希望が持てる文面にしたいものです。明るい前途に水をさすような言葉に気をつけましょう。
忌み言葉:流れる、くじける、終わる、落胆、暗い
賀寿のお祝い
長寿のお祝いは人生の先輩に敬意を払い、変わらぬ健康とより一層の活躍をお祈りするものです。相手をいたわるつもりでも、「ご高齢ゆえ〜」や「無理をせず、あとは若い者にまかせて〜」などと、相手を年寄り扱いする表現はタブーです。
忌み言葉:死ぬ、四、逝く、病む、倒れる、衰える、枯れる、朽ちる、まいる、ぼける、落ちる
新築のお祝い
新居の完成をお祝いするときに、火事や崩壊など、新居が災いに見舞われることを連想する言葉は禁物です。
忌み言葉:火、煙、燃える、焼ける、倒れる、つぶれる、崩れる、傾く、壊れる
開店のお祝い
縁起をかつぐことが多い商売の世界では、縁起の悪い表現は特に嫌がられますので注意しましょう。
忌み言葉:つぶれる、閉じる、倒れる、失う、崩れる、枯れる、破れる、去る
お見舞い
お見舞いの手紙は、相手を励まし、1日も早い回復を祈ることが基本です。相手の気分を害してしまうような暗いイメージの言葉には注意しましょう。また、安心して治療に専念してもらうつもりでも、「あなたがいなくても仕事は順調です〜」などとは書かないようにしましょう。自分は必要ないのだろうか?と思ってしまいます。
忌み言葉:死、四、憂鬱、たたり
お悔やみ
弔事のお悔やみや災害などの見舞い状では、「重ねて」など不幸が再びやってくることを連想させてはいけません。「たびたび」などの重ね言葉も同じ理由で禁句です。
忌み言葉:また、再び、重ねて、追って、再三、さらに、いま一度、繰り返し、かつ、しばしば、たびたび、重ね重ね、かえすがえす、つくづく、ますます